2023年12月8日金曜日

銘柄選びのポイント(これから投資を始める人へ)

私は常々、株式投資ほど楽で簡単に資産を増やせる方法はないと考えています。なぜなら、あらかじめ決めておいた基準で銘柄を選んで購入すれば、後は株価が上がろうが下がろうが、基本的に放っておけば勝手に資産が増えていってくれるからです。




とは言え、株を始めたばかりの人にとって、銘柄選びは最初に突き当たる高いハードルになるのではないでしょうか。

そこで今回のブログでは、
株式投資初心者にお薦めの、個別銘柄選びの手順を紹介したいと思います。

もちろん以下の銘柄選定手順がベストというわけではないので、あくまでこれはたたき台として、自分なりにアレンジしつつ、試行錯誤しながら、適時加筆修正して自分好みにつくっていただくのがよろしいかと思います。


1.高配当銘柄を選ぶ
とりわけ投資を始めたばかりの人にとって、定期的、且つ自動的に「利確」できる高配当株は、投資の成果がわかりやすく感じられるという点でおすすめです。
但し、配当金の原資は基本的に毎期ごとの利益であり、毎年同じというわけではないので注意が必要です。

高配当銘柄を中心に保有する投資家にとっての最悪のシナリオは、業績悪化から大幅減配/無配転落となり、さらに株価暴落という往復ビンタのような仕打ち……
そこで、過去の配当実績や配当性向から減配・無配転落リスクの低いものを選びます。


配当性向=(1株当たりの配当額÷1株当たりの純利益)×100% 
 ※50%以下が理想。

配当性向が高すぎると、将来利益が減少した時に配当金も引き下げられるリスクが高い。


2.割安度を確認する
「良い物を、できるだけ安く買いたい」と考えるは普段の買い物と同じです。
対象銘柄の株価が割安かどうかの代表的な指標として、PERとPBRを用います。

2-1 株価収益率(PER/Price Earnings Ratio)
PER (株価収益率)は、会社の利益と株価の関係を表し、割安性を測ることができます。

PER(株価収益率)=時価総額 ÷ 純利益

PERが低ければ低いほど、会社が稼ぐ利益に対して株価が割安であるといえます。

2-2 株価純資産倍率(PBR/Price Book-value Ratio)
PBR(株価純資産倍率)は会社の純資産と株価の関係を表していて、PERと同様に株価の割安性を測ることができます。

PBR (株価純資産倍率)=時価総額 ÷ 純資産

これを使うと、企業の持っている株主資本(純資産)から見た株価の割安度がわかります。

PBRは低ければ低いほど割安であり、純資産は言わば企業の株の資産価値なので、PBRが1倍未満の状況でもし企業が解散したとすると、理論上株主には投資した以上の金額が戻ってくることになります。

一般的な割安基準として、PER(株価収益率)<15であり、

且つPER(株価収益率)× PBR (株価純資産倍率)<22.5 と言われています。


3.財務三表を確認する。
ここからは所謂、会社の品定めといったところですね。
結婚相手を選ぶときは相手の資産や収入をさりげなく聞き出さないといけませんが、上場企業であれば、それも全て公開されているようなものですから、サクッと調べられます。

財務三表とは
1.損益計算書
2.貸借対照表
3.キャッシュフロー計算書


3-1 損益計算書
損益計算書は1年間の企業業績を表します。

とりあえず見るべきポイントは、過去5年間の売上高と営業利益の推移となります。
増加傾向、もしくは安定していれば理想です。

3-2 貸借対照表
貸借対照表は企業の決算日時点での財産(資産)と借金(負債)、さらには財産の内の何%が実際の経営に使える資本(純資産)なのかを知ることができます。

損益計算書に比べてやや難解ですので、とりあえず見るべきポイントを自己資本比率に絞ります。

自己資本比率とは、返済不要の自己資本が全体の資本調達の何%あるかを示す数値であり、

自己資本÷総資本(自己資本+他人資本)の式で算出します。

一般的に自己資本比率が40%以上なら財務体質は健全といえますが、その目安は業種によって大きくことなりますので注意が必要です。

業種ごとの自己資本比率の大まかな目安

製造業 45%~60%
貿易 40%~45%
不動産業 35%
銀行 9%
証券業 36%
運輸行(航空/鉄道/海運) 25%~30%
外食産業 15%~30%

余裕があれば、さらに流動比率と手元流動性の確認も行います。

① 流動比率の確認

流動比率= 流動資産 ÷ 流動負債


貸借対照表の左右の一番上の数字を比べるものです。
一般的に200%以上が望ましいのですが、業種や会社の規模にもよります。
通常であれば、概ね60%から120%以上あれば問題ありません。

② 手元流動性の確認

手元流動性=(現預金+すぐに現金化できるもの)÷ 1か月の売上


手元流動性は会社の預金とすぐに売れる有価証券などを足した額を月商、すなわち年間売上高を12分の1で割った数字。

通常であれば1.5か月分あれば問題ありませんが、これも業種や会社の規模によりますのであくまで目安ととらえてください。

3-3 キャッシュフロー計算書
会社がどのようにお金を得てどのように使ったのかを営業活動、投資活動、財務活動という企業の活動別に区分して表したものです。

A 営業活動によるキャッシュフロー
B 投資活動によるキャッシュフロー
C 財務活動によるキャッシュフロー


これが理想的なキャッシュフロー



A
営業活動によるキャッシュフローは,「本業で稼いだお金」をあらわしていますのでプラスである方がいいことは言うまでもありません。
マイナスであれば利益が出ていない、もしくは売上は計上しているのに現金の回収ができていない、などが考えられます。

B
投資活動によるキャッシュ・フローでは、会社がどれだけ会社を成長させるために投資しているかを表します。
新たに設備を購入するなどの投資を行えばマイナスになり、設備を売却すればプラスとなります。
成長に向けて積極的に投資を続けている会社であれば、投資活動によるキャッシュフローはマイナスとなりますのでマイナスである方が好ましいと考えます。

C
資金調達額が返済額を上回っている状態であればプラスとなり、借入金の返済分はマイナスで表示されるので基本的にはトータルでマイナスになるのが望ましいと考えます。


4.企業概要と事業内容
最後になりましたが、本来ならここは最初にみるべきところですね。
何しろ会社の顔となるところで、何をやっている会社か…ぐらいは最低限の所だけでも理解しておきたいところです。

参考資料:企業ホームページ
製品紹介や社長インタビューなどから、将来の会社の行方を予測してみます。
事業内容は、5年後も10年後も継続可能なものであるか。
顧客に喜ばれる商品、サービスを扱っているか?三方よしか?…等々。

三方よしとは、売り手よし、買い手よし、世間によし
江戸から明治にかけて、日本各地で活躍した近江商人らが信用を得るために大切にしていた精神で、商売を長く続ける秘訣と言えます。

 


少々長文となりましたが、以上のことを、四季報もしくはヤフーファイナンスで確認するのにかかる時間は、ある程度慣れた人であれば、1銘柄につき3~5分程度もあれば充分ではないかと思います。

決算書をほとんど読んだことがない人にとっては、少々とっつきにくさがあるかもですが、高度な金融知識も必要ないし、何も難しいことを考える必要もありません。
ほぼほぼ事務的に、投資に値するか否かの確認作業を進めるだけで、頭を使うという程のものでもないことが、おわかりいただけたのではないかと思います。

後は、果報は寝て待て…
ということですが、これが案外一番難しいことかも知れませんね。

※このブログは、参考ブログリストにある「中国株投資ガイド」の中の、銘柄選びを参考資料に、日本株向けに加筆・修正して掲載しています。



0 件のコメント:

コメントを投稿

日経平均は今後も上がるのか? はあ?

正直私はあまり関心が無いんですが、先週末に日経平均(225種)が終値3万9098円で史上最高値更新したようですね。