オーダーを済ませてしばらくすると、テンション高めの会話が耳に入ってきました。会話の主は私たちよりも少し若い(30代か40代前半くらい?)と思われる男女2人でした。
会話の内容(互いの家族や子供のことなど)や、雰囲気からも不倫関係ではないようだったのですが、(特に女性の方が)やたらとウキウキしている様子が伝わってきました。
それぞれを「ゴトウさんは・・・」 「アイコさんも・・・」と呼んで話しているのがわかり、どうやらゴトウさんは遠方からわざわざ何かの用事があって来ていたようで、
「昨日の夜はゴトウさんに会えることがわかって、よく眠れなかったですよ」
とか
「ゴトウさんのような方が、わざわざ私のために時間をつくってくださって・・・」
などと、やたらとゴトウさんをヨイショするような内容を繰り返すので、ゴトウさんは滅多にお目にかかれない、何らかの分野においてはカリスマ的な存在であろうことはわかったのですが、肝心の
ゴトウさんのどこが凄いのか?
に繋がる情報が全く含まれておらず、
そもそもゴトウさんとは一体何者なのか?
が全くわかりません。
ただ、喫茶店の中は小ぢんまりとした、静かなスペースであったため、これらの会話は近く(真後ろ)にいた私達のみならず、マスターのいる厨房も含め、しばし店内全体に響き渡っていたのでありました。
その喫茶店は私にとっては行きつけという程ではなく、年に数回行く程度の場所ですが、その日は明らかに、これまで入った時の様子とは異なっておりました。
その場に居合わせた人達の動きが止まり、空気が固まった感じとでもいいましょうか。
(今考えると、厨房にいたマスターの手も止まっていたような・・・)
さすがに男性の方(ゴトウさん)は、恐らく店内のほぼ全員がギャラリーと化した異様な雰囲気を、話の途中から察知していたようで、徐々にボソボソとした小声になっていったのですが、アイコさん(女性の方)はハイテンションのまま、お構いなしに話を続けていたのです。
2人共比較的カジュアルな服装で、どこにでもいそうな普通に見える人(読んでいた、というか読んでいるフリをしていた週刊誌を交換しに行ったときにチラッと見えました)のようで、怪しげな宗教や投資への勧誘という感じでもありません。
食事どころではなく、謎はますます深まるばかりでした。
同行していた妻も、案の定あの2人の会話は相当気になっていたようで、帰り道では知り得た情報のすり合わせを行っていたのですが、解決には至りませんでした。
あの日以降も何度かその喫茶店に足を運んでいますが、当然あの2人にお目にかかれるはずもなく、未だに解決には至っておりません・・・
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