日本電産の永守さんについては熱血的な講演などでファンになってしまった方も多いかと思いますが(私もその一人です)、私がこのブログで紹介している楽して稼ぐというよりは典型的な猪突猛進型の経営者で、超人的なハードワークでも全く疲れた様子がなかったため、知り合いの医者からクスリに手を出しているのではないかと疑われるほどだったというエピソードがあります。
本書はまず自宅の納屋を改造して4人でスタートした創業期の資金集めからはじまり、世界的な企業に成長するまでの苦難の連続へとつながっていきます。
なぜこれほどのスピードで世界的な企業に成長できたのか?
という問いに対しては、M&A戦略を抜きにして語れないと思いますが、これまで実施した67社のM&Aは無敗であると豪語しています。
そのM&A戦略成功の秘訣についてもとてもわかりやすく書かれていますが、時に印象的だったのは、経営が悪化した赤字企業に共通しているのはコスト意識の低さだといい、創業間もないころは電気代やコピー代まで経費チェックしていたというあたりは個人的にとても親近感を覚えます。
カリスマ経営者につきまとう後継者問題については懸念する声が上がっていますが、松下幸之助しかり、本田宗一郎しかりカリスマ経営者が去ったあとも経営理念は生き続けるはずですので、個人的には長期的に見れば問題はないと思っています。
途方もない数字のように思えますが、どうなんでしょうか。
とりあえず「2030年に売上高10兆円を目指す」とのことですが、2022年3月期の売上が2兆円弱ですからこれとて中々ハードルが高いですよね。
本書を読み終わったころにはすっかり永守ワールドに引き込まれ、「あわよくば、私も日本電産の一員として・・・」とまで思われる方もおられるのではないでしょうか。
最後に、永守さんの金言は、
「すぐやる 必ずやる、出来るまでやる」
だとか。
私個人的には社員としての入社を目指すより、とりあえず株主となることをお薦めしますが、いかがでしょうか。
永守流 経営とお金の原則
1,760円 日本経済新聞出版 234ページ
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