これまで私が読んだビジネス書の中でもとりわけインパクトが強く、奇書部門ではNo1の迷著といえそうです。2017年発行の「熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録」の続編となりますが、今回はさらにバージョンUPした内容でした。
エリエールブランドでもお馴染みの大王製紙は言わずと知れた大手製紙会社です。
そしてこの本の著者は大王製紙創業者の孫(つまり3代目)であり、元会長となります。
まあ50代の若さで会長というあたりからして、仕事はしたくないけれど役職は付けてほしいという魂胆が見え隠れしますよね。
大王製紙は本体及び関係会社の株主・役員の多くを著者の親族が占めるというファミリー企業だったわけですが、会長がカジノにのめりこみ、関係会社からの巨額の借金まで熔かしてしまい・・・という内容です。
まず前編もそうでしたが、この御曹司会長の金銭感覚に驚かされます。
ヴィンテージワインやフェラーリのコレクションはまだ序の口で、カジノで106億円を失う・・・などなど節約生活で毎日を何とかやり過ごす私とは全く異次元の世界で、金持ち自慢もここまで次元が違うと寧ろ清々しい。
さらに最初から最後までツッコミどころ満載なのですが、極めつけは自分の不祥事が原因の社内のドタバタ劇をまるで他人事のように書き綴った挙句、会社再建のために自分を追い出そうとした人間を裏切り者などといって非難しまくります。
そもそも貴方、その前に会社の従業員、株主、さらには親族まで全員裏切ってますから(笑)
とはいえ、ギャンブル依存症は病気ですからご本人が一番お気の毒ってことですよね。
株の売却によりギャンブルの借金を完済しても、まだまだ豊富な資金が残るのはうらやましい限りですが、ご家族のためにもギャンブル依存症は早く治していただきたいものです。
因みにこの本の出版により得られた印税は、障害児専門の保育園や家庭内暴力に苦しむ女性の避難所への寄付に充てられたということだそうなので、井川さん自身はそんなに悪い人でもないようです。
お大事になすってください。
熔ける 再び そして会社も失った 井川意高著
1,760円 幻冬舎 189ページ
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